桜の季節、またふたりで
まどかに教えてもらって以来、軽くメイクをするようになった。


春休み中にまどかと一緒に美容院へ行き、同じように茶髪にした。


まさに、絵に描いたような大学デビューだけど、何もしないでいると竣くんのことばかり考えてしまうから、まどかには助けられた。


それぞれ、専門学校と大学に行き始めてからも、しょっちゅうメールのやり取りをしていたし、2週間に1度くらいは会っていた。


竣くんからメールが届いた時も、まどかに泣きながら報告したし。


「美春の好きなようにすればいいんだよ。


五十嵐さんを待ってもいいし、新しい誰かとつきあってもいいし」


まどかはいつだって、私の味方でいてくれた。


だから、斉藤さんに誘われた後も、まどかに相談した。


『美春は気づいてなかっただろうけど、斉藤さんは美春のことずっと好きなんだと思うよ。


好きじゃなかったら、タダで家庭教師なんてしないよ』


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