桜の季節、またふたりで
『それはないと思うけどな』
『美春はニブいからなあ。
まあ、いいんじゃない、ごはんくらい食べたって。
きっとおごってくれるよ』
うやむやな気持ちのまま翌日を迎えて、大学構内で斉藤さんに偶然会った。
「美春ちゃん、今日なんか感じ違うな、俺のせい?」
「そうですよ、斉藤さんのせいです」
先週バイト代で買ったばかりのワンピースを着ていた。
「じゃあ、あとで」
よく見たら、斉藤さんもいつも着てるTシャツにジーンズみたいなラフな服装じゃなくて、カッチリしたボタンダウンのシャツにチノパンだった。
お互い、微妙に意識してるような、変な感じだった。
17時少し前に駅に着くと、斉藤さんはすでに待っていた。
「お待たせしました」
「ぜんぜん、俺もさっき来たとこ」
『美春はニブいからなあ。
まあ、いいんじゃない、ごはんくらい食べたって。
きっとおごってくれるよ』
うやむやな気持ちのまま翌日を迎えて、大学構内で斉藤さんに偶然会った。
「美春ちゃん、今日なんか感じ違うな、俺のせい?」
「そうですよ、斉藤さんのせいです」
先週バイト代で買ったばかりのワンピースを着ていた。
「じゃあ、あとで」
よく見たら、斉藤さんもいつも着てるTシャツにジーンズみたいなラフな服装じゃなくて、カッチリしたボタンダウンのシャツにチノパンだった。
お互い、微妙に意識してるような、変な感じだった。
17時少し前に駅に着くと、斉藤さんはすでに待っていた。
「お待たせしました」
「ぜんぜん、俺もさっき来たとこ」