桜の季節、またふたりで
斉藤さんは、コーヒーを一口飲むと、


「美春ちゃん、俺、ずっと前から美春ちゃんのこと好きだ。


彼のことは好きなままでいいから、俺のことも男として意識してくれないかな」


私のことをまっすぐ見ながら、言った。


まどかの予想通りだったんだ。


驚いて、言葉が出てこない。


でも、何かしゃべらなきゃ。


「えっと、その、私はまだ、竣くんが好きで・・・」


「わかってるよ、美春ちゃんはそのままでいいから。


俺がそばにいるから、いつでも頼っていいから」


「もしかして、ずっと前に言ってた片想いの相手って・・・」


「美春ちゃんだよ」


そんな、困るよ。


大学には、いくらでもキレイな女の人がたくさんいるのに。


よりによって、なんで私なの?


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