桜の季節、またふたりで
「ごめん、美春ちゃんを困らせるってわかってて、告白したんだ。


美春ちゃんが、彼をずっと待っているのも知ってるし、まだ彼を好きなのもわかってる。


だけど、一生そのままでいいわけないだろ?


もし俺の存在が、美春ちゃんを変えるきっかけになるなら、俺は踏み台でもいいと思ってるんだ。


今日は、俺の気持ちをぶつけただけ。


明日からは、彼の存在を忘れられるようにアピールするから」


アピールって、どういう意味?


よくわからなかったけど、笑って話を終わらせた。


「じゃあ、そろそろ行こっか」


割り勘で、って言っても、斉藤さんは笑って聞いてくれなかった。


家まで送るよ、という斉藤さんの申し出を断ったら、


「勉強してた時だって送ってたよ」


当然、と言われてしまった。





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