桜の季節、またふたりで
カズは、私が一人暮らしすることに反対してたけど、最後にはあきらめてくれた。


地元から東京に通うとなると、1時間半くらいかかってしまうし、会社が家賃補助してくれるから、会社まで4駅で行けるマンションを探した。


「美春、ひさしぶり!」


まどかは、相変わらず女子力高い。


今日も、オールインワンをかわいく着こなしていて、うらやましい。


「まどか、仕事大丈夫だった?」


「うん、昨日遅番したから。


時期的にさ、春はネイルする人が増えるんだよね」


私も、3月初めの卒業式に向けて、先週花柄の華やかなネイルをしてもらったばかり。


ネイルしながら話すことはあっても、飲みに行くことはなかなかできなかったから、今日はとても楽しみにしていた。


まどかが連れてきてくれたお店は、表通りから入った細い道沿いの地下のお店で、


「ごはんもお酒も種類が多いんだよ。


先月、先輩に連れてきてもらったんだ」


まどかイチオシの料理を注文した。


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