桜の季節、またふたりで
「今日は、時間気にしないでいいんでしょ?」


「うん」


「じゃあさ、お店出たら、カラオケ行こーよ」


「私がほとんど経験ないの、知ってるのに誘うかなー」


「社会人になったら、つきあいとかで行くんじゃないの?


少しは慣れといた方がいいって」


「そんなこと言って、まどかが歌いたいだけでしょ」


「そうとも言う」


「もう、しょーがないなあ」


それから、食べて飲んでしゃべりたおして、カラオケに移動した。


カズが心配しないように、まどかとのツーショットを写メで送った。


まどかが歌っているのを聴いていたら、竣くんが好きな歌手の歌だった。


どんな小さなことでも、竣くんと結びついてしまう。


まるで、竣くんのことを忘れさせないようにしてるみたいに。


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