桜の季節、またふたりで
「お母さんは、何か伝えたかったのかもしれないけど、美春のせいじゃないんだから。


美春は今、斉藤さんと一緒にいて幸せなら、それが一番だよ」


結局、朝まで二人で過ごして、それぞれの自宅に帰った。


「ただいま」


「おはよ、お帰り」


「カズ早いね、もう出勤?」


今日は月曜日で、まどかと私は休みだけど、カズは小学校へ出勤しないといけない。


「まだ行かないよ、美春を待ってただけ」


「そっか、ごめんね心配かけちゃって」


「男に声かけられなかった?」


「そんなことないよ、まどかじゃないんだから」


「わかってないな、美春はかわいいんだから油断するなよ」


カズは私に、コーヒー味のキスをした。


竣くんのキスも、コーヒーの香りだったな。


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