桜の季節、またふたりで
「東京はやっぱ、夜まで明るいんだな」


「防犯上はいいんじゃない?」


徒歩圏内に、24時間営業のスーパーはあるし、コンビニもあるし、銀行も郵便局も病院もある。


夕飯は、少し豪勢に焼肉にした。


「あー食べすぎちゃった、でもアイス買って帰ろうっと」


「美春は甘いもん好きだな」


「寝る前のアイスだけは、やめられないんだよね」


スーパーに寄って、箱アイスを買った。


二人で部屋に戻ってアイスを冷凍室にしまったら、カズは私を後ろから抱きしめた。


「今日、泊まっていい?」


「うん、いいよ」


答えた瞬間、キスされた。


何度もキスされて、しだいに熱を帯びていき、気づいたらベッドに寝かされていた。


「美春」


「ん?」


「好きだよ」


数えきれないほどキスをして、カズを受け入れた。


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