桜の季節、またふたりで

「うまく言えないんだけどさ、なんか、美春ちゃんって高校の時の俺と似てるな、と思ったんだよな。


だから、ふたりで話してみたくなったんだけど、無理？」


「土日はバイトしているので、無理です」


「平日でもいいけど」


「あの･･･」


「ん？」


「来週は面談がある週なので、授業が早く終わるんです。


バイトがない金曜日ならいいです」


うわ、何言ってんだろう、私。


「マジで？


じゃあ、金曜の何時ならいい？」


これはマズイ、五十嵐さんのペースに乗っけられてる。


「15時ならだいじょうぶです」


うわー、なんで正直に答えちゃうわけ？


まるで口だけ違う人格になったみたい。


「わかった、じゃあ15時に家まで迎えに行くから」