桜の季節、またふたりで

五十嵐さんの言葉に、ホッとする自分がいた。


「俺も、『連絡ください』じゃなくて、『連絡先教えて』って書けばよかったよな。


教えてくれたら、俺からジャンジャン連絡すんのに」


おもしろい言い方に反応して、笑ってしまった。


「あっ、いま笑っただろ？


笑った顔、もっと見せてくれたらいいのに」


アマノジャクな私は、とたんに笑顔を閉じこめてしまう。


「ね、連絡先教えて？」


少し迷ったけど、ケータイ番号とメルアドを教えた。


「サンキュー、これでいつでも連絡とれるな」


ゴキゲンな五十嵐さんは、本当に嬉しそうだった。


「いつでもって、真夜中とかはやめてください」


「どうしても声聞きたくなったら、かけるかもな」


「そんな理由でかけてこないでください」


「じゃあ、どんな理由ならかけてもいいわけ？」