桜の季節、またふたりで
「ただいま」


「竣くん、おかえり」


「腹へった、今日の夕飯なに?」


「オムライスだよ」


「マジで?


超うれしいんだけど」


竣くんはニヤニヤしながら、お風呂場に入っていった。


時間を見計らって、卵を焼き始めた。


お皿に盛りつけた時に、竣くんが出てきて、


「お待たせ」


って言いながら、私にチュッって軽くキスした。


こういう瞬間が、たまらなく好き。


そして、テーブルにオムライスのお皿を並べたら、


「えっ?」


って、竣くんが固まった。


なぜかというと。


私が竣くんのオムライスに、


『けっこんしてください』


ってケチャップで書いたから。


「美春、これって・・・」


「よろしくお願いします」


「スゲーうれしい」


竣くんは立ち上がると、私をギュッと抱きしめた。


幸せな気持ちでいっぱいになると、こんなにドキドキするんだ。


こうして私たちは、ふたりで歩き始めることに決めたんだ。


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