桜の季節、またふたりで
「竣くんだって・・・」


「ん?」


「竣くんだって、こないだ告白されてたじゃない。


でも、そのこと、私に何も話してくれなかったじゃん」


「見てたのか。


断ったし、言う必要ないかと思ったから」


「じゃあ、私が告白されても言わなくていいんだ?


っていうか、私は竣くんみたいにモテないから、関係ないけどね」


「なにスネてんだよ、かわいくないぞ」


「どうせかわいくないし」


「そうやっていじけてたって、何にもなんねーだろ」


「もういい」


「なんだよ、それ」


「いいったらいい」


「言わなくて悪かったよ、ごめんな」


「そんな風にとってつけたみたいに謝られても嬉しくない」


「じゃあ、どうしたらいいんだよ」


私は、無言を貫いた。


竣くんは何度も話しかけてくれたけど、口を開いたらヒドイ言葉ばかり出てきそうで、黙っていた。


そして、翌日もケンカは続き。


会社でも、資料しか持ってこなかった私は怒られてしまうし、何もかもうまくいかなかった。


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