桜の季節、またふたりで
金曜日。
朝からソワソワして、落ち着かない。
高校からまっすぐ帰ったら、夜勤前の母と顔を合わせた。
「おかえり」
「ただいま」
それ以上の会話は、続かない。
自分の狭い部屋に入り、まどかから借りた洋服に急いで着替えた。
「美春、ちょっといい?」
母は珍しく話しかけてきた。
「なに?」
ふすまを開けて、洋服を見られたくなくて顔だけ出したら、
「美春も高2だし、塾に行かせてあげたいんだけど、金銭的にできなくてごめんね。
その代わり、パート先の先輩の大学生のお子さんが勉強みてくれるっていう話があるんだけど、どう?
教師を目指してるから、将来のための勉強になるからって無料で・・・」
母はまだ何か言いかけていたけど、
「私、成績トップクラスだから平気。
大学なんて望んでないから」
ピシャッとふすまを閉めた。
朝からソワソワして、落ち着かない。
高校からまっすぐ帰ったら、夜勤前の母と顔を合わせた。
「おかえり」
「ただいま」
それ以上の会話は、続かない。
自分の狭い部屋に入り、まどかから借りた洋服に急いで着替えた。
「美春、ちょっといい?」
母は珍しく話しかけてきた。
「なに?」
ふすまを開けて、洋服を見られたくなくて顔だけ出したら、
「美春も高2だし、塾に行かせてあげたいんだけど、金銭的にできなくてごめんね。
その代わり、パート先の先輩の大学生のお子さんが勉強みてくれるっていう話があるんだけど、どう?
教師を目指してるから、将来のための勉強になるからって無料で・・・」
母はまだ何か言いかけていたけど、
「私、成績トップクラスだから平気。
大学なんて望んでないから」
ピシャッとふすまを閉めた。