桜の季節、またふたりで
「ごめん、急に言われたって困るよな。
告白するからには、先に俺のことを知ってもらおうと思っただけだから。
そろそろ車に戻るか」
私の右手を軽く引き上げて、もと来た道を引き返す。
何か言わなきゃ、伝えなきゃ、と焦れば焦るほど、言葉が出てこない。
「この辺はなーんも変わんねーな」
つぶやく五十嵐さんの左手を、少しだけ強く握った。
そんなことしても気持ちは伝わらないってわかってたけど、それが精一杯だった。
五十嵐さんは振り返って優しく笑うと、私の右手を握りかえしてくれた。
夕飯を食べて帰ろうということになり、帰り道の途中にあったファミレスに入った。
平日の夜なのに、けっこう混んでいた。
窓際の角の席に向い合わせで座ると、恥ずかしくなってあまり五十嵐さんを見ることができなかった。
告白するからには、先に俺のことを知ってもらおうと思っただけだから。
そろそろ車に戻るか」
私の右手を軽く引き上げて、もと来た道を引き返す。
何か言わなきゃ、伝えなきゃ、と焦れば焦るほど、言葉が出てこない。
「この辺はなーんも変わんねーな」
つぶやく五十嵐さんの左手を、少しだけ強く握った。
そんなことしても気持ちは伝わらないってわかってたけど、それが精一杯だった。
五十嵐さんは振り返って優しく笑うと、私の右手を握りかえしてくれた。
夕飯を食べて帰ろうということになり、帰り道の途中にあったファミレスに入った。
平日の夜なのに、けっこう混んでいた。
窓際の角の席に向い合わせで座ると、恥ずかしくなってあまり五十嵐さんを見ることができなかった。