桜の季節、またふたりで
自分で話しながら、その時の光景が思い出されて一瞬苦しくなった。
ぬるくなったアイスティーを飲んで落ち着かせて、また話し出した。
「母は『疲れてたの、今のは忘れて』ってすぐ否定したけど、本音だと思った。
だから、その言葉が心臓に突き刺さったみたいになって、抜けなくて、母と距離をおくようになった。
夜勤だと私とすれ違うことが増えて、私もわざと避けるようになって、学校からまっすぐ帰らずに、朝は家事を済ませて母が帰ってくる前に家を出た。
高校も、交通費がかからないように家から歩きか自転車で通える公立高校だけを受験した。
中学の担任からは、もっと上を目指せるって言われたけど、条件は譲らなかった。
友達はまどかしかいないし、お金がかかるから部活もやってないし、バイトは携帯料金と、たまに必要になる雑費のためにやってる。
本当の私を知ったら、つきあおうなんて思わないでしょ?
五十嵐さんと一緒にいて楽しかったけど、つきあうなんて無理・・・」
ぬるくなったアイスティーを飲んで落ち着かせて、また話し出した。
「母は『疲れてたの、今のは忘れて』ってすぐ否定したけど、本音だと思った。
だから、その言葉が心臓に突き刺さったみたいになって、抜けなくて、母と距離をおくようになった。
夜勤だと私とすれ違うことが増えて、私もわざと避けるようになって、学校からまっすぐ帰らずに、朝は家事を済ませて母が帰ってくる前に家を出た。
高校も、交通費がかからないように家から歩きか自転車で通える公立高校だけを受験した。
中学の担任からは、もっと上を目指せるって言われたけど、条件は譲らなかった。
友達はまどかしかいないし、お金がかかるから部活もやってないし、バイトは携帯料金と、たまに必要になる雑費のためにやってる。
本当の私を知ったら、つきあおうなんて思わないでしょ?
五十嵐さんと一緒にいて楽しかったけど、つきあうなんて無理・・・」