桜の季節、またふたりで
高2の冬
「美春、そっち持って」


「うん、わかった」


季節を重ね、12月になった。


竣くんと私がつきあうようになって、もう3ヶ月くらい。


買ってきたばかりのクリスマスツリーに、ふたりで飾りつけをしている真っ最中だ。


『竣くん』『美春』と呼び合うようになるまで、1ヶ月くらいかかった。


両想いになって、つきあうようになっても、しばらくはそれまでと何も変わらない毎日だった。


竣くんは基本月曜休みで、もう1日は土日以外の好きな曜日を選べるんだけど、他の社員さんとの兼ね合いや仕事量にも関係するから、月曜しか休めない時もあった。


私はコンビニでのバイトを続けていたけど、図書館へ行く回数は減った。


竣くんが合鍵をくれたから、図書館へ行く代わりに、高校の帰りにスーパーへ寄って、竣くんの部屋に直行して夕飯を作ることが増えた。


毎日は会えないけど、週に2日くらいは竣くんの部屋で過ごした。


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