桜の季節、またふたりで
竣くんにあげたのは、ボールドのレザーがカッコいい男っぽいキーホルダー。


私がもらったのは、シルバーのテディベアがついているキラキラしたかわいいキーホルダー。


私はさっそく、家のカギと竣くんちの合鍵をつけようとしたけど、うまくいかない。


「貸してみ」


竣くんは、いつのまにかイスに座っている私の背後に立っていて、そのまま両手を伸ばしてきた。


まるで、後ろから抱きしめられてるみたいで。


心臓の音が急に速くなって、耳のあたりが熱くなった。


「できたぞ」


「あ、ありがとう」


「美春」


「うん?」


振り向こうとした時、竣くんはそのまま私をギュッと抱きしめた。


「俺、美春のこと好きだから、大事にしたい。


だけど、美春の全部を欲しい気持ちも、男だからある。


美春のはじめて、俺でいい?」


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