桜の季節、またふたりで
裸で布団にくるまるのは初体験だけど、こんなに心地いいなんて知らなかった。


「痛かっただろ?」


「ううん、想像してたより痛くなかった」


「俺も久しぶりだったから、余裕なかった」


「・・・久しぶり?」


竣くんの顔を見たら、焦って目が泳いでた。


「ごめん、俺は初めてじゃねーから。


だけど、元カノの時は、これで俺も童貞卒業できる!って、ヤルことしか考えてなくて、自己中だったんだよな。


だけど、美春に対しては、心から愛しくて、美春の全部を受けとめたくて、だからすごく慎重になった。


なんかさ、俺と美春は身も心も結ばれた気がするんだ」


「大切に想ってくれてて、嬉しい」


「美春も、我慢とかしないで、なんでも俺に言えよ。


俺には甘えていいんだからな」


「うん、わかった」


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