桜の季節、またふたりで
「何言ってるの、当たり前でしょ。


お母さん、あなたと生きていくために、あなたが希望する進路へ行けるように、働いてきたんだもの。


応援してるから、頑張りなさい」


・・・知らなかった。


お母さんが、そんな風に思っていたなんて。


私のことなんて考えてなくて、ただ生活のためだけに働いているんだと思ってた。


「ありがとう」


そう伝えるのが、精一杯だった。


「あとね、実は私・・・」


「わかってるわよ」


竣くんのことを言い終わる前に、さえぎられてしまった。


「おつきあいしてる彼がいるんでしょう?」


まさか、気づいてるなんて思ってなかった。


「えっ、あっ・・・うん」


「お母さん、美春のこと信じてるから。


今度、うちに連れていらっしゃい」


こんな風に話せるなんて、理解してもらえるなんて、思ってもみなかった。



母とのぞんだ面談で、担任に大学進学を希望していることと、奨学金を目指すことを伝えた。


担任も、母も、すごく喜んでくれた。


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