桜の季節、またふたりで
図書館から、歩いてたった10分の距離だけど。


斉藤さんから、大学の話を聞いたりするのは、純粋に楽しかった。


斉藤さんが通っている大学が、偶然私の目指している大学っていうのもあって、憧れが現実になったらいいなと思っていた。



そして、もうすぐゴールデンウィークっていう4月の終わりの月曜日。


いつものように、竣くんの家でまったりしていると、


「美春、勉強大変だろうけど、今度の土曜日うちに泊まりに来ない?」


突然誘われた。


「うん、いいけど、土日はバイトだからバタバタしちゃうけど?」


「いいよ、待ってるから」


竣くんちの壁にかかってるカレンダーを見たら、4月28日だった。


4月28日・・・


あっ、私の誕生日だ。


お祝いされなくなって何年もたつから、自分の誕生日さえ忘れてた。


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