桜の季節、またふたりで
車を降りると、竣くんはすぐに手をつないでくれた。


「こっち」


導かれるまま歩いていくと、視界がパッと広がって、目の前が夜景でキラキラしてた。


「うわー、キレイだね」


「だろ?」


得意気な竣くんの顔は、すぐ目の前で。


ふたりとも引き寄せられるように、キスをした。


「美春、誕生日おめでとう」


「ありがとう」


「美春と出会えて、よかった」


「私も」


「美春、俺たち今までツライこともあったけど、投げ出さないで良かったよな」


「竣くんと出会ってから、すべてがうまくいってるもん」


「俺、生きてるだけですごいって思うんだよな。


俺たちだって、たくさんの人がいる中で出会えたんだから。


だから、美春のことは大切にしたい。


何か不安なことがあったら、何でも言えよ」


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