桜の季節、またふたりで
始業式の翌日は金曜日で、春らしい暖かな陽気だった。


新しいクラスは文系なので、女子が半分以上いてにぎやかだけど、私はほとんど話さない。


挨拶はしても、それ以上に会話は続かない。


まどかが同じクラスでよかった。


とりあえず、お昼を一人で食べるのは回避できるから。


まどかは、私とは対照的にクラスの中心人物で、いつも誰かとワイワイ楽しそうに過ごしている。


私は、そんなまどかを少し離れて見ていたり、時々まどか達の輪に誘われて、相づちをうったりする。


だけどそれは、嫌われないために最低限すべき努力でしかない。


どうして、まどかは私と一緒に過ごしてくれるんだろう。


いつも気にかけてくれるのは、なんでだろう。


疑問に思うことはよくあるけど、聞く勇気はない。


今の関係を壊したくないから。


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