桜の季節、またふたりで
食事はドライブの帰りに済ませたから、お風呂あがりにケーキとコーヒーで改めてお祝いした。


「美春、誕生日おめでとう」


「ありがとう」


「18才か、高校生活最後の1年、楽しめよ」


「うん、合格できるように頑張る」


「そんな美春に、俺から」


峻くんが差し出したプレゼントの細長い箱を開けたら、シャーペンとボールペンが1本になった多機能ペンと、鉛筆が1ダース入っていた。


「嬉しい、大切に使うね。


あっ、名前が入ってる!」


ペンにも鉛筆にも、『miharu』って刻印されていた。


「これから受験まで、ずっと使えるだろ。


俺にはこれくらいしかできないからさ」


「そんなことない、私はすごく竣くんに助けられてるよ」


「ならいいけど」


幸せな18才の誕生日。


一生、忘れない。


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