桜の季節、またふたりで
夏休みになっても、スケジュールはあまり変わらない。


土日だけバイトして、月曜以外は図書館にずっといて、週3くらい斉藤さんに勉強を教えてもらって。


月曜は竣くんと一緒に過ごすけど、夏休みだから朝から夜までいられて嬉しかった。


竣くんは私の体調を気にしてるのか、夏休み最初の月曜は遠出しなかった。


部屋で竣くんの体温を感じているだけで、癒された。



「美春ちゃん、彼氏より俺の方が会う回数多くない?」


斉藤さんに送ってもらう帰り道、突然言われて驚いた。


「確かにそうですね」


「俺が彼氏の立場だったら、すごい気になるけどな」


「私は、気にしたことないです。


会う回数は重要じゃないと思ってるので」


「そっか」


「斉藤さんこそ、彼女がさみしがってるんじゃないですか?」


「彼女なんていないよ」


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