桜の季節、またふたりで
そして、模試当日。


斉藤さんから事前に教えてもらった通りに、時間に余裕をもって会場に行き、リラックスできるように竣くんからもらった鉛筆を使った。


5教科終わって、会場になっていた大学の校門を出たら、


「美春ちゃん!」


と、後ろから声をかけられた。


振り向くと、スーツ姿の斉藤さんが走ってきた。


「斉藤さん、どうしてここにいるんですか?」


「試験監督のバイト」


「スーツ、似合ってますね」


「まあ、たまにはちゃんとした格好みせないとな」


「じゃあ、私は帰りますね」


「美春ちゃん、少し時間ある?」


時計を見たら、まだ14:30だった。


「はい、夕方から出かけるので、1時間くらいなら」


「今日の模試の復習、忘れないうちにやっとこうかと思って」


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