桜の季節、またふたりで
『ありがとう、まどか』


『美春、ケンカしたら前より仲良くなれるから、がんばって』


まどかは、すごいな。


同い年なのに、私よりずっといろんなこと知ってる。


私は勇気を出して、もう一度竣くんの部屋に向かった。



インターホンを押す指がふるえて、うまく押せない。


さっき部屋を出てから、何分くらいたったんだろう。


深呼吸して、キーホルダーを握りしめて、インターホンを押そうとしたら、ガチャンとドアが開いた。


「・・・竣くん、ごめんね、私が」


最後まで言い終わらないうちに、竣くんは私をきつく抱きしめた。


「ヤキモチ焼いてみっともねーとこみせて、ごめんな」


「竣くんは悪くないよ、私が誤解させるようなことしちゃったから」


「とりあえず、入れよ」


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