ライ【完】
夜の商店街で
あー、呑みすぎた。

私、市ノ瀬志穂は夜の道を

ふらふらと歩いていた。

今日は大学のコンパ。

先月二十歳を迎えた私は

当たり前のように標的になったわけで。

先輩から次々に注がれたお酒を

飲み干していった。

お酒は二十歳の誕生日に初めて飲んで、

私は全然酔わなかったから

なんだ、私、アルコールに強いんだと

思っていたのに…

あー、ふわふわする。

私は上機嫌に大通りを歩いていた。

一人暮らしを始めてから2年。
 
ここの土地勘もようやくついてきた。

私の家に帰る途中には

寂れた商店街があって。

そこを通るのが一番速い。

私は横断歩道を渡ると

商店街のゲートをくぐった。

夜12時の商店街。

当然お店のシャッターは閉まっている。

…これは二日酔い確定かもしれない。

後でコンビニによって水でも買おうかな。

そう思っていた矢先だった。
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