ライ【完】
「お久し振りです!お元気でしたか?」
暫く会ってなかったから
やや興奮ぎみに質問した。
「そりゃもちろん。市ノ瀬さんは最近ここに来たのかい?」
その質問にえっ?となる。
いやいや、おばあちゃん。
私、2年前からここに住んでるよ。
「いやだなー、おばあちゃん。私、ずっと前からここにいますよ。」
私が笑いながらそう言うと
「そうだったかねー?」
と言うおばあちゃん。
暫く会わない間に
ボケてしまったのかもしれない。
「そうですよ!」
「それじゃあ、あの店長さんは?当然来てるんだろ?」
「店長は…今日はまだ見てませんね。でも、気配は感じたから奥に隠ってるのかも。」
私がそう言うとそうかいそうかいと
おばあちゃんは頷いた。
「そりゃー大変だったね。」
何が?と思ったけれど
あの事かと気づく。
「私、本当に佐伯のおばあちゃんに救われたんです。あの時は本当にありがとうございました。」
私がお礼を言うと
「いいさいいさ。」
と照れくさそうに言った。
「私は逆に1つあんたに隠してたことがあってね。」
と少し申し訳なさそうに口を開いた
おばあちゃん。
「え?何ですか?」
と言うと、おばあちゃんは
「実はね、あの時。お菓子探してなかったんだよ。」
と言った。
「えっ!?」
私は驚きのあまり
また大きな声を出してしまった。
「しー!店長さんに聞こえるだろ!」
そう言って私の口を塞ぐおばあちゃん。
「すいません。…でもなんで?」
そう質問するとおばあちゃんは
理由を教えてくれた。
「本当はね、あんたと話したかったのよ。」
「え?」
「あんた、毎日毎日あの店長に怒られていただろ?私は昔からこのコンビニの常連でね。いつも怒られて泣きそうになるのを堪えて休憩しに奥へ戻るあんたを見てきたんだ。だから、何とかしてやりたいと思ってね。話しかけてたら店長が出てくると思ってつい話しかけてしまったよ。…でも結局あんたは私が店長に何かいう前に怒られてしまったね。本当にすまなかったねぇ…。」
そう続けておばあちゃんは謝った。
「謝るなんてそんな…私、おばあちゃんがいなかったら、多分、病気になってました。だから、謝らないでください!」
「本当にすまなかったねぇ。」
そう言ってまた頭を下げるおばあちゃん。
「おばあちゃん顔あげ――「ねぇ、お取り込み中悪いんだけれどレジ打ちしてもらえる?」」
小さくなって謝るおばあちゃんに
顔をあげてもらおうとしていた私に
そうライが遮って声をかけた。
そこでまたハッとする。
「俺もやってるけど、今、混んでるから。」
お客さんの方を見ると
ライの方には4人並んでいて
まだかまだかとイライラしてるようだった。
「あ…ごめんなさい!おばあちゃん、謝らないでください!これでおしまいにしましょう。」
私がそう言うとコクりとおばあちゃんは
頷いた。
「それで、いくらだい?」
「926 円です。」
私は急いで会計に戻った。
暫く会ってなかったから
やや興奮ぎみに質問した。
「そりゃもちろん。市ノ瀬さんは最近ここに来たのかい?」
その質問にえっ?となる。
いやいや、おばあちゃん。
私、2年前からここに住んでるよ。
「いやだなー、おばあちゃん。私、ずっと前からここにいますよ。」
私が笑いながらそう言うと
「そうだったかねー?」
と言うおばあちゃん。
暫く会わない間に
ボケてしまったのかもしれない。
「そうですよ!」
「それじゃあ、あの店長さんは?当然来てるんだろ?」
「店長は…今日はまだ見てませんね。でも、気配は感じたから奥に隠ってるのかも。」
私がそう言うとそうかいそうかいと
おばあちゃんは頷いた。
「そりゃー大変だったね。」
何が?と思ったけれど
あの事かと気づく。
「私、本当に佐伯のおばあちゃんに救われたんです。あの時は本当にありがとうございました。」
私がお礼を言うと
「いいさいいさ。」
と照れくさそうに言った。
「私は逆に1つあんたに隠してたことがあってね。」
と少し申し訳なさそうに口を開いた
おばあちゃん。
「え?何ですか?」
と言うと、おばあちゃんは
「実はね、あの時。お菓子探してなかったんだよ。」
と言った。
「えっ!?」
私は驚きのあまり
また大きな声を出してしまった。
「しー!店長さんに聞こえるだろ!」
そう言って私の口を塞ぐおばあちゃん。
「すいません。…でもなんで?」
そう質問するとおばあちゃんは
理由を教えてくれた。
「本当はね、あんたと話したかったのよ。」
「え?」
「あんた、毎日毎日あの店長に怒られていただろ?私は昔からこのコンビニの常連でね。いつも怒られて泣きそうになるのを堪えて休憩しに奥へ戻るあんたを見てきたんだ。だから、何とかしてやりたいと思ってね。話しかけてたら店長が出てくると思ってつい話しかけてしまったよ。…でも結局あんたは私が店長に何かいう前に怒られてしまったね。本当にすまなかったねぇ…。」
そう続けておばあちゃんは謝った。
「謝るなんてそんな…私、おばあちゃんがいなかったら、多分、病気になってました。だから、謝らないでください!」
「本当にすまなかったねぇ。」
そう言ってまた頭を下げるおばあちゃん。
「おばあちゃん顔あげ――「ねぇ、お取り込み中悪いんだけれどレジ打ちしてもらえる?」」
小さくなって謝るおばあちゃんに
顔をあげてもらおうとしていた私に
そうライが遮って声をかけた。
そこでまたハッとする。
「俺もやってるけど、今、混んでるから。」
お客さんの方を見ると
ライの方には4人並んでいて
まだかまだかとイライラしてるようだった。
「あ…ごめんなさい!おばあちゃん、謝らないでください!これでおしまいにしましょう。」
私がそう言うとコクりとおばあちゃんは
頷いた。
「それで、いくらだい?」
「926 円です。」
私は急いで会計に戻った。