ライ【完】
落ち着いたのか

ライの震えは段々治まってきた。

「ライ――落ち着いた?」

「うん。」

そう言って私の肩に顔を埋めるライ。

そんなライに気分転換して欲しかった。

だから…

「ねぇ、ライ。」

「何?」

「明日デートしよっか。」

私が咄嗟にそう提案した。

真っ赤になって飛びのくライ。

「…え?」

そんな間抜けな返事が返ってくる。

「だから、デート!!…もしかして意味分かんない?」

「分かるよ!それくらい!…でも、何で?」

「えー?気分!」

私がそう答えるとライは顔を真っ赤にして

下を向く。

「それで行くの?行かないの?」

そう問いたてると

「しょうがねーな。付き合ってやるよ。」

とライはそっぽを向いて答えた。

「ふふ…目も顔も真っ赤な人にそう言われてもねぇ…」

私がそうイジると

「うるせぇ!」

と反論してきた。

…あと2日。

それが何を意味してるのか

分からなかったけれど

それでも、明日のデートは

ライと一緒に出掛けられる最後。

そんな気がしてた。
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