ライ【完】
待って、急にどうしたの?

今日のライ。ライらしくない。

私はライのもとへ駆け寄ると

「ライ、大丈夫?」

と聞いた。

「大丈夫って…何が?」

「だって…今日のライ何か変だよ。」

「変じゃないよ。」

「変だよ!」

そういう私にライはふわりと笑った。

何がおかしいの?

「変じゃない。」

そういうと靴と靴下を脱ぎ始めたライ。

「え?何してるの?」

「俺も歌うの。」

「さっきまで散々嫌だって言ってたじゃん!」

「気分が変わった。」

ライはそう言うと私の手をとって

海の方へ走り出した。

「ちょっ―――ライ!」

「ほら、歌おうよ。」

そう言って自分から歌い出したライ。

もちろん、歌はさっき私が歌っていた歌だ。

何だか今日のライは機嫌が良いのか悪いのか

分からない。

それでも、懐かしさを感じて

私はまたライと一緒に歌い始めた。
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