ライ【完】
私がベンチに座ると
飲み物を買ってくると言って
私の側を離れたライ。
その表情は少し悲しそうだった。
そんな顔しないで。ライ。
私はどう行動すれば良かったのだろうか。
「ごめんね、ライ。」
私は遠くなった彼の背中にそう呟いた。
――私はライの何を知ってる?
たったの数日しか生活してないけれど
それでも普通は
今よりもっと沢山のことが分かるはずなのに。
だけど、私は何も知らない。
彼が何処で生まれたのか。
彼が何処で育ったのか。
彼の一番好きな食べ物も飲み物も。
どうして高校を辞めたのかも。
彼の苗字も。
彼の――――――初恋の人も。
何も知らない。
「何で……なんで何も教えてくれないの?」
ライが泣きたいのも分かる。
それでも、
こっちも泣きたかった。
何も知らない私が
ライに――――何ができるの?
飲み物を買ってくると言って
私の側を離れたライ。
その表情は少し悲しそうだった。
そんな顔しないで。ライ。
私はどう行動すれば良かったのだろうか。
「ごめんね、ライ。」
私は遠くなった彼の背中にそう呟いた。
――私はライの何を知ってる?
たったの数日しか生活してないけれど
それでも普通は
今よりもっと沢山のことが分かるはずなのに。
だけど、私は何も知らない。
彼が何処で生まれたのか。
彼が何処で育ったのか。
彼の一番好きな食べ物も飲み物も。
どうして高校を辞めたのかも。
彼の苗字も。
彼の――――――初恋の人も。
何も知らない。
「何で……なんで何も教えてくれないの?」
ライが泣きたいのも分かる。
それでも、
こっちも泣きたかった。
何も知らない私が
ライに――――何ができるの?