ライ【完】
「お姉さん、今一人?」

顔をあげるとそこには見知らぬ男の人が

2人立っていて。

「い―「今から俺らとカラオケ行かない?」」

ライのことを言おうとしたが

もう1人の男の人に遮られた。

「私、連れがいますので。」

「それって男?」

その質問に私は黙って頷いた。

「いいじゃん、彼氏放っておいて。俺らと遊ぼうよ!」

「いや―「さっき喧嘩してたじゃんか君たち。」」

そう言われて目を見開く。

――聞いてたの?

「とにかく私は―「俺たちが慰めてあげるからさ、ほら早く行こうよ!」」

断ろうとしたがまた遮られ、腕を引っ張られ、

無理矢理立ち上がらせられた。

「やめてください!」

そう言って私は空いている手で

相手の手を払いのけた。

パシンッ―

乾いた音が響く。

「痛てぇ…何すんだよこのアマ!?」

手を掴んでいた男の人は

怒って私を殴ろうとしてきた。

怖さのあまり目をつぶる。

でも、その拳は何時になっても

私には当たらなかった。

< 41 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop