ライ【完】
「―――人の彼女に何してんだよ?」

恐る恐る目を開けると

男の人の拳は誰かの手によって

掴まれていて。

ううん、誰かじゃない。

「ライ――」

私の後ろにはいつの間にかライがいた。

「俺の女に手ぇ出すんじゃねーよ!」

ライの登場によって目的をなくした2人。

その目はとても怯えている。

「まっ…紛らわしいんだよ!喧嘩しときながら!!」

そんな言葉を吐いてその場を逃げていった。

「志――「ごめんなさい。」」

私はくるりとライの方を向くと

真後ろにいたライに抱きついた。

「ごめんなさい、ライ。ごめん――」

怖さのあまり震えている私の背中を

ライは優しく叩いてくれた。

「大丈夫か?あいつらに何もされてない?」

私は彼の腕のなかで頷いた。
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