ライ【完】
願い
眠れなかった。

それも当然

今日でライが私の前から姿を消すからで――

「おはよ。」

リビングに行くと既に起きていたライ。

朝御飯を作っていた。

「…おはよ。」

この挨拶をしたことで

ああ、朝が来てしまったと痛感する。

今日が来なければ良かったのに。

今日ほど

来てほしくない日はない。

私はライと出会ってから

昨日までの記憶しかいらない。

今日の記憶なんて

いらないよ……。
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