ライ【完】
「志穂。」

私が洗い物をしていると

ライが後ろから声をかけてきた。

「何?」

「洗い物終わったらリビングに来てくれない?」

「え?良いけど…何で?」

「なんでも。」

と言って理由を教えてくれなかったライ。

ライ、次は何を考えているの?

取りあえず分かったと言うと

ライはリビングへ向かったようだった。

ねぇ、私だけなのかな。

ライとのお別れを気にしているのは。

ライは何とも思わないの―――?
 
そう考えると少し胸がムカムカした。

あれだけ私に向かって

好きだって言ってたくせに。

でも、まだライに向かって

自分の思いを伝えてない私に

何かを言う権利なんてない。
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