ライ【完】
「――志穂?」
気がついたらライが私の顔を覗き込んでいた。
急に現実に連れ戻された感じになり
「…なっ…何!?」
と心臓をバクバクさせながら応える。
「なんか、ボーッとしてなかった?眠いの?」
「ううん、そんなことないよ!」
私は首を横に振りながら答えた。
「さっきライが弾いてた曲ね、私が一番最初に弾けるようになった曲なの。だから懐かしいなぁって。」
「そっか。俺、この曲のギターパートも弾けるよ。」
「そうなの!?」
「うん。」
そう言うと床に置いてあったアコギを
持って1フレーズを弾きだした。
「…本当はエレキギターの方が良いんだけどね。エレキは今持ってないや。」
そう言って乾いた笑みを浮かべたライ。
でも、私にとっては――
「私にとってはアコギの方が良いよ。だって、こっちの方がアレンジ感出るじゃん。」
そう言うとライは何故か固まった。
「ライ?」
その不審な姿に心配になって声をかける。
すると今度はすぐに戻ってきた。
「…そうだね。こっちの方が良いね。」
ライはそう言うと最初のコードを弾いた。
「それじゃあ、始めようか。」
「うん!」
ライとの初めてにして最後のセッションは
とても気持ち良かった。
ライがメロディーを歌って、
私はハモりパートを歌って。
初めてなのにずっと前から合わせているように
感じたのはきっと
ライが上手いから―――――
気がついたらライが私の顔を覗き込んでいた。
急に現実に連れ戻された感じになり
「…なっ…何!?」
と心臓をバクバクさせながら応える。
「なんか、ボーッとしてなかった?眠いの?」
「ううん、そんなことないよ!」
私は首を横に振りながら答えた。
「さっきライが弾いてた曲ね、私が一番最初に弾けるようになった曲なの。だから懐かしいなぁって。」
「そっか。俺、この曲のギターパートも弾けるよ。」
「そうなの!?」
「うん。」
そう言うと床に置いてあったアコギを
持って1フレーズを弾きだした。
「…本当はエレキギターの方が良いんだけどね。エレキは今持ってないや。」
そう言って乾いた笑みを浮かべたライ。
でも、私にとっては――
「私にとってはアコギの方が良いよ。だって、こっちの方がアレンジ感出るじゃん。」
そう言うとライは何故か固まった。
「ライ?」
その不審な姿に心配になって声をかける。
すると今度はすぐに戻ってきた。
「…そうだね。こっちの方が良いね。」
ライはそう言うと最初のコードを弾いた。
「それじゃあ、始めようか。」
「うん!」
ライとの初めてにして最後のセッションは
とても気持ち良かった。
ライがメロディーを歌って、
私はハモりパートを歌って。
初めてなのにずっと前から合わせているように
感じたのはきっと
ライが上手いから―――――