ライ【完】
別れ
夜の12:58

それがライの乗る最終列車だった。

昼食も夕食も

死人のように食べた。

ライとは何も喋れなかった。

それでも、それ以外の時間はずっと

ライの隣に座ってライの肩に私の頭を預けて

手を繋いでいた。

12:30

家を出た。

手を繋ごうよって私が言うと

ライは何も言わずに恋人繋ぎで繋いでくれた。

このままで本当にいいの――?

ずっとずっと考えていた。

12:40

駅についた。

ライは出会った日と同じく

学ラン姿でアコギを背負い、

ボストンバックを肩にかけていた。

ライは切符を買い、

私はプラットホームに入るための券を買う。

12 :45

そろそろ行こうかと言ったライに頷き

駅の改札に券を通した。

電車、来なければいいのに。

そう思いながら

ライとと再び手を繋いで歩いた。

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