ライ【完】
ライが乗った電車が見えなくなった。

私はその場に崩れ落ちる。

「ライ――――」

サヨナラは言わなかった。

元気でねとも言わなかった。

それは、いつか会えると信じてるから。

――急に眠気が私を襲ってきた。

昨日寝てないからか

体がだるくて重い。

こんな感じで私、帰れるのかな?

そう不安になりながらも

私は戻り始めた。

やっぱり眠い。

…ベンチで少しだけ寝ようかな。

きっと駅員さんが起こしてくれる。

私は近くのベンチに座ると

ボーッとライが向かった方向を見た。

ライ――

また会おうね―――

そう思いながら私は目を閉じた。



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