ライ【完】
「そうなのね。」

それを聞いて安心したのか

雷太のお母さんは嬉しそうに笑った。

「雷太もきっと喜んでいるわ。雷太、志穂ちゃんがベース弾いている姿が好きだって言ってたから。」

「えっ!?そんなこと言ってたんですか!?」

まさかの爆弾発言に一気に顔が赤くなる。

「そうよ~家でずっと志穂ちゃんの話ばかりだったもの。」

「わー!恥ずかしいのでやめてください!」

私が耳をふさいで抗議すると

楽しそうに雷太のお母さんは笑った。

「――これなら大丈夫そうね。」

そう言って。

雷太のお母さんは持っていた鞄から

細長い箱を取り出すと

「はい。これ。」

と私に差し出した。
< 95 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop