名付けないで。(BL)
黒澤は俺を掴んだまま連れてきたのは
体育館の更衣室。
更衣室に連れてくるとかエロ。
行為室かって、、
黒澤はガチャリと鍵をかけて
煌斗が追いかけて来ないのを確認すると
俺を見下ろした。
180cm以上ある黒澤を見上げて
目をぱちぱちする。
こうやってちゃんと見るの
初めてかもしんない。
「お前、ケガは?
殴られたりとかしてない?」
俺の両腕を縛っていたネクタイを
解きながら黒澤は呟く。
はだけた制服、解かれたベルト、
そんな格好の自分を見下ろした。
「うん。気持ちいいことしか
されてないけど?」
「……え、」
そう言って直球に黒澤の切れ目を
今度はまっすぐ見つめながら囁く。
黒澤は少し笑ってる俺に
眉を寄せた。
「え?……犯されてたんじゃねーの?」
そうみえるよね、でも
「あれはあいつの性癖だよ。
あーやって、いつもヤる時は
手とか縛ったり目隠したりすんの
変わってるよな?」
俺の発言にさらに戸惑う黒澤。
当たり前だよ、変わってるのは
どっちだよって。
「……お前、もしかして」
「あれ?知らなかった?
俺、オトコにカラダ売ってんの。」
お前のせいで……
せっかく客紹介してもらえると
思ったのに、、
「でも助けてくれてありがとな。
なんか、ちょっと嬉しかった。」
「やめろよ、そうゆうの。
もっと自分の身体、大事にしろよ。」
黒澤は縛られた俺の腕を撫でながら
呟いた。
……あ?説教???
てめーに関係ないだろ。
撫でられてる手をバッと引く。
「そうゆうのうぜーから。
そんなことわかってる奴が
こんなことしてるわけねーだろ。」
依存症だから仕方ねーだろ。
セックス依存症なんだよ、俺は。
「……。」
「どけ、そこ。」
俺は黙ってる黒澤に冷たく言い放った。
軽蔑ならしろよ。
だけど、一向にどかない黒澤に
俺はイライラしだした。
「どけって!!!」
「どかねー。なんかほっとけなくなった。
「……はぁ???」
なぁ、どんだけキスうまいの?」
キス???
「……え?なんだ?結局はお前も
同じじゃん。」
「聞いてる?どんだけキスうまいんだよ。」
突然、何言い出すんだよ??
キス?なんで?
気づけば黒澤は俺の目の前に
来てて首に両手を回して
俺の顔を覗き見た。
ゴクリと唾を飲む。
男相手なんて数え切れないけど
黒澤みたいな奴は初めてで
心臓が震え始める。
ゾクゾクと背中が疼く
「なぁ???」
俺と黒澤の唇が今でも重なりそうな
至近距離に俺は思わず
「…………ちゅっ」
唇を重ねた。