名付けないで。(BL)
episode2
そっから教室に戻ると
黒澤が友達と話してるのが目に入った。
あいつ、普通に見えて
あんなキス……
「………!!」
俺がジッと見てると目が合ったから
思わず晒した。
「もも?どうしたの?」
帰ってきた俺に話しかけてくれる柊。
俺は柊に笑顔を見せた。
「次、移動教室だよね?行こ。」
「そうだね。………と、まって、もも。」
柊はそういって俺の制服に
手を差し伸べる。
「…ボタン、掛け違えてるよ。
気をつけてね。」
「あ、ありがとう。」
柊は俺が何やってるかを全て知ってて
特に口出しして来ない。
だって、俺が依存症なのを知ってるから。
でもこの前、俺がいつものように
呼び出されて行こうとした時、
柊が俺の腕を何故か掴んできたことがある。
まるで行かないでとでも言えるみたいに。