イケメン小説家は世を忍ぶ
彼と一緒にいた金髪の男性は一体誰なんだろう?

先生はどんな思いで七年もの間、日本にいたのか……。

佐代さんは先生がセピオンの皇太子って知っていたのかな?

その日は定時で仕事を終え、会社を出ると、ポケットに入れておいたスマホがブルブルと震えた。

画面を見ればそれは伯父さんからで……。

「伯父さんどうしたの?」

『ネットに……ゴホッ……桜井先生の写真が出回っているんだが……お前、何か知ら……ゴホッ……ないか?』

ネットに桜井先生写真?

最初は皇太子として撮られた写真だと思ったけど、雅柚子先生がスマホで写真を撮っていたのを思い出した。

雅柚子先生が……桜井先生の写真をネットに流した?

サーッと顔から血の気が引いていく。

「……そう言えば、今日ホテルで雅柚子先生と打合せしたんだけど……桜井先生がラウンジの隣の席にいて……私のせいで桜井先生の顔がバレたかもしれない。他の作家さんがいるとこで、私が桜井先生のこと名前で呼んじゃって……写真を撮られたの……」
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