イケメン小説家は世を忍ぶ
アーロンの部下が俺を待ち構えている可能性があるからだ。

そこで民間人を巻き込む事態は避けたかった。

ユアンがアメリカの支援を取り付けたのは、タイミング的にはちょうど良かった。

「いい気分とは言えないな。アーロンに喧嘩売ったし、向こうは何か仕掛けてくるかもしれない。簡単にセピオンに入国出来ると思わない方がいいだろう」

「それは覚悟の上でしょう?アーロンを倒した後のことだって、もう考えているんですよね?」

ユアンが俺に期待の眼差しを向ける。

いろいろと先を見据えてはいるが、今はこいつにも明かしたくない。反発するのが目に見えているからだ。

だから、俺は他人事のようにあえて言った。

「キースが国王になれば丸く収まるだろう?」

突然自分の名前が出てきたキースは慌てて反論する。

「何言ってんですか?僕は国王の器じゃないですよ。だから、ケント様を迎えに日本まできたんじゃないですか!」
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