イケメン小説家は世を忍ぶ
9、彼女と野宿 ー 桜井建(ケント)side
ガシャンという衝撃音の後、周囲の木を倒しながら飛行機の機体は何度もバウンドする。

着陸装置が上手く作動せず、俺は胴体着陸を試みた。

一か八かの賭け。

これが成功しなければふたりとも死ぬ。

絶体絶命の大ピンチ。

もう駄目か……そう思いかけた時だった。

俺のはめている指輪から青い光が出て……俺達を守るように包み込む。

その時、俺達は助かると確信した。

機体がようやく止まり、俺は周囲の状況を確認する。

ここは……セピオンとフランスの国境付近のはず。

まだ夜中なのか辺りは暗い。

ここで……救助を待つ方法もあるが、あの衝撃だと機体はかなり破損しているだろう。
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