イケメン小説家は世を忍ぶ
燃料タンクから燃料が漏れて爆発する可能性もある。

それに、アーロンの部下が来ないとも限らない。

ここからすぐに脱出しないと……。

「結衣、結衣……大丈夫か?」

結衣の肩に手を置き、声をかける。

「う……ん」

俺の声に反応して結衣がゆっくり上体を起こす。

「怪我はないか?」

「……衝撃は凄かったですけど……むち打ちとかもしていないかも。私達……助かったんですか?」

「とりあえずな。だが、ここからすぐに逃げないと、バーベキューになるかもしれないぞ。早くシートベルトを外せ」

自分のシートベルトを外し、操縦席から立ち上がると、客室のシートの方に向かう。

シートは滅茶苦茶で天井はボロボロ。

俺達が無傷なのは、このサファイアの指輪のせいなんだと改めて思う。
< 150 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop