イケメン小説家は世を忍ぶ
今度こそ本気で殺しに来る。

樹海のような山の中、結衣の手を引いて足早に歩く。

すると、五〇〇メートル程離れたところで、ボンッという大きな爆発音がした。

「あの音って……」

結衣が立ち止まって後ろを振り返る。

「飛行機が爆発したみたいだな」

すぐに脱出して良かった。

飛行機が爆発しても、アーロンは俺が死んだとは思わないかもしれない。

「行くぞ」

結衣に声をかけると、前を見据えまた歩き出す。

だが、一キロくらい歩いた辺りで結衣の歩みが遅くなり、彼女は急に立ち止まった。

「どうした?」
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