イケメン小説家は世を忍ぶ
「ストッキング脱いで足を出せ」

「ええー?嫌ですよ!」

結衣はブンブンと横に首を振って抵抗する。

「ストッキングの上からじゃ手当て出来ないだろ?何なら俺が破いてや……」

ニヤニヤしながらそうからかうと、結衣は俺の口に手を当てた。

「いやらしい発言しないで下さい。脱げばいいんでしょ!脱げば!」

結衣は切れ気味に言って俺に背を向けると、ストッキングを脱ぎ始める。

「うわっ……血でベドベトしてる。穴があいちゃってもう使えないな。これ……高かったのに……」

結衣が残念そうに呟く。

この非常時に何の心配してんだか……。
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