イケメン小説家は世を忍ぶ
「わかった。じゃあ、一緒に使うことにする」

冷淡に告げて結衣の身体を毛布ごと自分に引き寄せる。

「ぎゃっ‼ちょっと、何するんですか!」

結衣が目を見開いて抗議する。

「そんな変な声出すな。一緒に毛布を使うって言ったの忘れたのか?」

結衣を自分の腕の中に閉じ込めると、毛布をかけた。

「こんなの休めません」

結衣は俺の胸に手を当て、文句を言う。

「飛行機の中でも似たようなこと言ってたが、グースカイビキかいて寝てたぞ」

クスッと悪戯っぽく笑うと、結衣は頬を膨らませて怒った。

「私……イビキなんてかきませんよ!」

「寝てるんだからわからないだろ?そんな大きな声で騒ぐと、熊が現れる」
< 163 / 284 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop