イケメン小説家は世を忍ぶ
よくわからないけど怒ってる?

でも……どうして?

頭の中は?だらけ。

この状況についていけず、されるがままになっていると、ケントが意地悪く私の下唇に噛みついた。

「あっ……」

自分のものとは思えない変な声が出る。

深く噛まれたと思ったが、予想に反して痛みはあまりない。

「その悪い口、しばらく閉じてろ」

俺様口調で言って、ケントは再び私の唇を奪う。

でも……今度のキスは冷たさを感じなかった。

触れた唇が熱くなって……。

トクンと心臓が高鳴る。

息を止めてたら苦しくなって、強くケントの腕を掴むと、彼は
「息止めるなよ」って笑ってキスを終わらせた。

空気が欲しくて、すぐさまプハーッと大きく息をする。

「な、な、な……何でキスなんか……」

驚きで口をパクパクさせていると、ケントはダークな笑みを浮かべた。
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