イケメン小説家は世を忍ぶ
11、守りたいもの
「久し振りだな、アーロン。そんな眼帯なんかしていつから海賊になった?」

ケントは私を隠すように一歩前に出ると、眼帯の男を見据えた。

……この人がアーロン将軍?

見覚えがあると思ったのは、テレビでこの人が眼帯をしていない写真を見たからか……。

ケントはアーロン将軍のことを知っているらしい。

親しげな感じがする。

「事故で左目がダメになった。義眼入れるより格好いいと思ってな。お前こそ、この七年日本でこそこそ暮らしていたそうじゃねえか。今さらセピオンに戻ってどうするんだ?」

「どっかのじじいが何を血迷ったかセピオンを牛耳る気でいるから、懲らしめに戻って来たのさ」

私をからかう時と同じ調子でケントはアーロン将軍を冷やかした。

「『じじい』って俺かよ」

アーロン将軍はケントの言葉に苦笑いする。
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